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男性はなぜ風俗へ行く?

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男性はなぜ風俗へ行く? 『男しか行けない場所に女が行ってきました』田房永子さんに聞く【インタビュー前編】

 “男しか行けない場所”と聞いて、なにを思い浮かべるだろうか? いかがわしいお店? いかがわしいって、つまり風俗? そう。風俗だ。でも風俗という場所について、 「(男たちが)そこで何をしているのか。女たちはあまり知らない。教えられることなく、『男がそういう場所に行くのは当たり前』『それを許すのが賢い女』と思いこまされる。本当にそうなのだろうか。今こそ知って、考えたい」(『男しか行けない場所に女が行ってきました』)


 この本のタイトルを初めて見たとき、好奇心旺盛な女性が風俗に潜入して「キャー!こんなエッチなことしてるのー!? おちんちん丸出しなのー!? イヤー!」と目を手で覆いつつ指と指の間からガン見、というのを想像した。しかし著者の田房永子さんは、24歳の頃から男性向けのエロ本で、風俗店などを取材してレポートを描いてきた漫画家。男たちの男たちによる男たちのための風俗現場を、ある種冷ややかな目で観察している。そんな田房永子さんに話を聞いてきた。


――今年2月の発売から2カ月半が経ちますが、反響はいかがですか?

 男性は、「女性からこういう風に見られているんだと、初めて知った」という声が多いです。桃山商事の清田さんが、「自分の後姿を鏡で見せられているような気持ち」と言っていました。「目からうろこ」という感想がとても多いです。

――女性は共感する方が多いみたいですね。

 「怒りが触発された」という人もいるし、「こんなに風俗の種類があるって知らなかった」という人もいるし、この本のテーマである「社会は男性中心に作られている」という点に気づいたとか共感してくれる声が多いです。

――本書の中には様々な風俗店が出てきます。オナニークラブ、ドール専門風俗店、富裕層スワッピングパーティー……。中でも一番、反響があったのは?

 「密着型理髪店」です。普通の理髪店なんですけど、店員さんが全員女性で、タイトなミニスカートにピチピチの白シャツでお客さんに密着するんですよ。あくまで理髪店なので、お触りは禁止です。顔におっぱいが当たりそうで当たらない、というドキドキを楽しめる。でもそれって、女性からしたら意味不明なんですよね。射精するだけなら風俗へ行く意味も分かるんですけど、そうじゃないから。


【男性はなぜ風俗へ行く?】

――“男たちは何を求めて風俗へ行くのか?”というところだと、「おっぱいパブ」が男同士のコミュニケーションの場所として機能している、というのが衝撃的でした。そういう発想はなかったです。

 おっぱいパブは厳しくて取材に入れなかったんですが、特徴として、仕事相手の人たちと、2軒目、3軒目のカラオケ感覚で入店できることなんです。おっぱいを触るだけで射精サービスがないので、仕事相手とも行きやすいみたいです。

――私は「おっぱいパブ」潜入取材したことがあるんですけど、ヘンな空間でした。もっと艶めかしいやり取りがあるのかと思ってたんですが、女の子は普通にさっと上半身を脱いで、男性はおっぱいを揉む、みたいな事務的な感じで。風俗で働く女性は、心に闇を抱えていたり、葛藤があるのかと思いきや、そのとき話を聞いた子は「べつになんとも思わないです」とあっけらかんとしていました。

 いきなり「おっぱいパブ」で働くっていうのは意外と少ない、って話を聞きました。最初はキャバクラで働いてて、「もっと稼げる店があるよ」って言われて、おっぱい出すと時給がプラス数千円となって、その次は風俗に誘われるという流れがあるらしいです。それで風俗で知らないおじさんのチンコ触ったりするのいやだからすぐおっぱいパブに戻ったんだけど、今度はAVに誘われて、同じチンコでも男優ならいい、とAVに出てる、という女の子が、本の中にも出てきます。

 生の風俗現場を見てきた田房さんの本に、“風俗がどういう場所かよく知らない”女性読者が共感するのはなぜだろうか? 後編は本書の根底に潜む「男性主導の性」について迫る。

――「女としての自分が引き裂かれるような感じ」とありますが、女性なら誰もがどこかで感じている部分かもしれません。

「女性は新幹線で緊張する」と書いたんですけど、「読んでみて気づいたけど、私も緊張して乗ってた」と共感してくれる女性がいました。わたしは痴漢に遭ったことがあるけど、そういうトラウマがある女性に限ったことではないと思うんです。トラウマがなくても、女性はみんなどこかしら男性への恐怖心があると思います。男性はその辺りに無頓着で、新幹線でもくつろぎまくっているんですよね。

――わたしも夜道で後ろからガッと、刃物を突き付けられたことがあるんです。ギャーっと叫んだら逃げていったんですが。

 えー! 通報しましたか? 通報していいんですよ! 私も10代の時、夜道で襲い掛かられたことがあります。大声を出して追い払ったけど、通報しようとか思いませんでした。母に話したら母のほうが動揺して、通報してて、その時の私は「大げさだなあ」くらいに思ってたんです。いま思えば、大げさでもなんでもないと思う。だけどあの頃はそう思ってた。なぜなのか…。そういう経験をした人が、おばあちゃんになってもビクビクするのは当たり前じゃないですか。なのに、「ババアはビビるな」みたいなことを言われる。新幹線とか、男性がたくさんいる場所って女性は怖いんですよ、いくつになっても。しかもそういう犯罪に巻き込まれたら、こっちが責められたりするじゃないですか。スカートが短かったから誘惑したとか。ほんと腹立ちますよね。

――田房さんはフェミニストとも違うというか…。分かりやすい主張が本には書かれていないような気がするんですよ。

 一番言いたいのは、前書きとあとがきなんです。それを補足するのが本編というか。男性が作った基準で自分を計っている。男性に言われたままでいいのか、みたいなことです。いまの時点で、いろいろすごくおかしいと思うんですよ。まずそれを「おかしくないですか?」ということが一番言いたい。「こうしましょう」「こうするべき」とは思ってないです。アイディアなんて出てくる段階にもきてないと思ってるし、こういう事実があるんだけど、みなさんどう思いますか?という本を目指しました。

――あとがきでは、女性向けアダルトサイト「GIRL’S CH」の楽しさについて書かれています。本文でも、女性向け風俗があってもいい、というようなことを書かれていますよね。

 ないことがおかしい、と思ってます。「本当に女向け風俗が普及すると思ってるの?」と聞かれたり、「難しいしほぼ無理だと思う」って言ってくる人もたくさんいます。なんでそんな聞き方をしたり、そんなこと言うんだろう? って思ってます。「普及したらいいな~」「普及してないことがおかしい」っていうことも、思っちゃいけないのかなって。

――その辺りが、田房さんはフェミニストとは違うと思うんです。

 そういう感じのことをよく言われるけど、自分がフェミニストかどうかは自分では一番どうでもいい事なんですよね…。ただ、自分が生きていて、へんだなと思うことを追っかけていった先に必ず「男性社会」が出てくるので、これはどういうことなんだろう? というのは常に考えてます。性犯罪や性暴力については、これからもずっと考えて行きたいです。
物議を醸し出している「痴漢問題」

 最近、ツイッター上で「痴漢はどうすればなくせるか?」という議論が成された。案の定というか、やはり議論をしていたのは男性同士だったのだが…。小学生の頃から痴漢に遭ってきたという田房さんから見て、男性の痴漢論争はどう映るのか?

――痴漢についての持論を振りかざす男性が増えています。田房さんはどのようにお考えですか?

 痴漢論争は「女性専用車両は必要か」というその段階で話が何年も止まってます。みんな同じことをずっと言っているんですよ。「女の人は本当に必要だと思ってるのか」ってアンケートとったりとか、そういう段階。まだ、“男性たち”や当事者じゃない人たちにその必要性を「納得」していただく、っていう段階で止まってるってことだと思います。みんな納得してないし、理解してない。被害者側は「本当にこんな被害があるんだ」「困ってるんだ」「必要なんだ」「というより、女性専用車両がつくられるっていうこと自体が恥ずかしいことだと気づいてください」と何度も何度も言っても、もみ消される。ずっと平行線なんです。なので、新しく議論をする男性が出てきているというのはいいことかも知れないです。痴漢問題に興味がある人たちだけで話していたら、限界があるし。

――ありがとうございました。

 田房さんの話を聞いて気づいた。自分はなんの問題意識も持たず、男性主導のアダルト系記事を書き、一方で、(本当は違うのに…。こんなことを書きたいわけじゃないのに…)と葛藤している。おそらく多くの女性が葛藤しながら生きているのだろう。彼氏や夫に、「風俗なら行ってもいいよ」「遊びなら浮気をしてもいいよ」と、“いい女”ぶってしまう。男性に迎合してしまう。男性主導の社会構図が、本書によってようやく浮き彫りになったのだ。


染色体の違いでもわかるけど、男ってのは女の劣化版。
そいういう生き物なんだねでいいと思うよ。



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